サボリ癖はインフルエンザのように人から人へと伝染していきます。
「こんな仕事やってられないよ。」と1人の人が言うと隣の人も「まったくその通りだ。」と同意して仕事の手を止めることでしょう。
その二人を見た周りの人たちもやる気が削がれることは間違いありません。
職場の上司は、サボリ癖が出ないように対策を講じる必要があります。
職場は仕事をする場所です。
サボり癖がある人に流されて一緒にサボっているところを上司に見られたら、あなたの評価が下がることは間違いありません。
サボらなくてもサボり癖がある人とかかわるとその人と同類とみなされます。
悪く思われることはあっても良く思われることはないでしょう。
サボり癖がある人とは距離を置いて、サボりの誘いには決して乗らないように気を付けてください。
サボり癖が目に余るようでしたら行動を細かくメモして上司に報告しましょう。
期待というものは驚くような効果を上げます。
あなたが上司の場合は、サボり癖がある部下には期待するような言葉をかけるといいです。
「もうできるようになったのか。君は要領がいい。」
「とても頼りになる。将来が楽しみだ。」
「仕事が丁寧で安心して任せられる。」
期待していることを出すことで、相手は期待に応えたくなります。
このことを「ピグマリオン効果」と言います。
思い切ってサボり癖がある人を社運をかけた一大プロジェクトのメンバーに抜擢したり、人を育てる指導教育係に抜擢するのもいいかもしれません。
サボり癖がある人には期待しているからこそ抜擢したことを伝えます。
人は期待されるとサボろうという気持ちが薄くなり、一生懸命働いてくれるようになります。
逆に「ゴーレム効果」と言って「お前は本当に使えないな。」などと言うと本人はやる気を失って本当に使えない人になってしまいます。
かける言葉には注意してください。
サボり癖のある人は、何か理由があってやる気が出ないのかもしれません。
サボり癖のある人こそコミュニケーションを濃密に取るべき相手だと考えます。
一緒に昼食を取ったり飲みに誘って相手の話を聞いてください。
「仕事をどう思っているのか?」
「なぜやる気にならないのか?」
一度、サボり癖のある人とトコトン話し合ってみるといいでしょう。
やる気が出ない原因が分かれば、解決できるかもしれません。
解決までいかなくても話を聞いて理解を示すことで「親身になって話を聞いてくれた」と相手は感謝して、以後サボり癖が直るかもしれません。
サボリ癖がある人がサボることで仕事が遅れても、決して加勢しないようにしてください。
肩代わり、尻ぬぐいをするとまた助けてもらえると思って甘えが出ます。
これではサボリ癖は直りません。
しかし、仕事の量が多いため、同僚に仕事を手伝ってもらうことはある程度許されます。
対処法としては、人に自分の仕事を頼むときには、上司に確認を取ってから行うという決まりを作るといいでしょう。
自分に決定権がない場合は、上司にそのような決まりを作るように働きかけましょう。
共同で作業をする人が増えれば増えるほどサボる人が出てきます。
「自分ががんばらなくてもほかの人がなんとかしてくれるだろう。」と思うからです。
このことを「社会的手抜き」とか「リンゲルマン効果」と言います。
対策は、集団を少数のチームに分けて個々の責任と役割を明確にすることです。
営業成績をランキング形式で社内の壁に張り出すなど、同僚と競い合うような環境にすることでサボり癖が直ることがあります。
「あいつには負けたくない。」と競争心が芽生えることで仕事に精を出すようになるからです。
このことを「社会的促進」と言います。
成果に応じて給料を支払うようにします。
サボり癖がある人は成果を出せないので給料を抑えることができます。
また、成果報酬にすることでこれまで仕事をサボってきた人が、心を入れ替えて仕事に専念してくれるかもしれません。
サボり癖がある人は期限を決めても遅れがちです。
そこで仕事の進行状況を定期的に確認するといいでしょう。
もう一ついい方法があります。
「遅くともいつまでに完成しますか?」と聞きます。
本当に完成できそうな日を答えてくれます。
その日に合わせて計画を立てるといいでしょう。
サボり癖がある人が上司になると自分がやりたくない仕事は部下に押し付けてきます。
上司と部下との関係上、押し付けられた仕事は余裕があれば受けたほうがいいでしょう。
上司に貸しを作ることができます。
上司はあなたを頼りがいがある部下だと思うでしょう。
しかし、一度受けてしまうと際限なく仕事を押し付けられるようになります。
余裕がないときは断りましょう。
断るときは角が立たないように「申し訳ありません。ただいま忙しいため手が空いておりません。」と丁重に断りましょう。
サボり癖がある人に重要な仕事はさせないでいると「あの人はラクな仕事ばかりして自分は骨が折れる仕事を任されるのは不平等だ。」と不満に思う人が出てきます。
職場の人たちのモチベーションが下がるのでお勧めしません。
その月のノルマを達成しているなど結果を出している営業マンが、サボったりすることは会社にとって問題のない社員と考えていいでしょう。
ただし、あからさまにサボっているところを見せるのであれば、職場の人たちのモチベーションが下がるのでやめさせるべきです。
上司に怠け癖がある場合は、上司の上司に直訴すると効果的です。
上司の上司は現場の状況を細かく知っているとは限らないので、直訴する場合は「今、現場でこのようなことが問題が発生しています。」と具体的に説明して「私はこのようにしたいと考えています。」と解決策を提示するといいでしょう。
上司の上司に直訴することで上司との人間関係が悪化する可能性があります。
実行するのなら最後の手段にしたほうがいいでしょう。